解答48:論理は感情に打ち勝てるか!?(23年9月出題)
答え→Pさんの話の方が確率が高い
数学の世界に「必要十分条件」というテーマがあります。「片方が正しければもう片方も必ず正しい」という「包含関係」というものです。今回の話で言うと、Qさんの話が正しければPさんの話も絶対に正しいという「包含関係」が成立しているということになります。
いきなり難しい専門用語を並べてしまってスミマセン。N君については「ボランティア活動を行ってそう」という観念からいったんはQさんの話にひかれてしまいますが、「公務員かつボランティア活動」であれば、それは確実に「公務員」ということになるのですね。だから「どちらが可能性が高い?」と言われればやはりPさんということになるのです。
何かの予測をたてる場合、「なるべく抽象的に予測した方が当たる確率が高くなる」という大原則があります。たとえば1〜13のトランプのカードの中から1枚の数字を予測する場合には、「偶数で1けた」と予測するよりも「偶数」と予測した一の方が当たる確率は高いですよね。というより「偶数」と予測した一が少なくとも「負ける」可能性はありません。それと同じことなのです。
実際のカードの数字 | 「偶数で1けた」と予測 | 「偶数」と予測 |
1 | × | × |
2 | ○ | ○ |
3 | × | × |
4 | ○ | ○ |
5 | × | × |
6 | ○ | ○ |
7 | × | × |
8 | ○ | ○ |
9 | × | × |
10 | × | ○ |
11 | × | × |
12 | × | ○ |
13 | × | × |
これと同じようにPさんとQさんの予測も表にしてみましょう。
実際のN君の現状 | Pさん「公務員」 | Qさん「公務員でボランティア」 |
公務員・ボランティア | ○ | ○ |
公務員・非ボランティア | ○ | × |
非公務員・ボランティア | × | × |
非公務員・非ボランティア | × | × |