問題42:世の中み〜んな遊び好き!?(23年3月出題)
国公立大学受験前期日程も終わり、徐々に進路決定する生徒達も増えてきました。遠くの学校へ進学する子はもちろん下宿先を探さなければなりませんが、私の済んでいる豊川市の生徒達にとって、名古屋の大学に進学するというのは結構微妙な距離になります。自宅から通うこともできないわけではないし、かと言って、下宿した方が絶対に時間的に楽なはずです。ちなみに私も大学時代は1人暮らしをしていました。まぁ、当時は名古屋大学まで地下鉄名城線が走っていませんでしたから、交通の便もあまり良くなかったのです…。
さて今回は電車で自宅から通学する架空の生徒の話。この生徒はある鉄道の「大学前駅」を利用するものと思って下さい(実際に豊橋市に同名の駅がありますが、今回はそれとは関係ありません)。この生徒、自宅へ帰るには上り列車に乗って「帰宅駅」の方に向かわなければなりません。しかし、下り列車に乗ると楽しい楽しい遊びの街がある「遊戯駅」へ向かうことができます。学生の帰り道というのはなかなか最短経路で家へ帰る気にはならないものです。かといって毎日毎日遊んでいては親がうるさいし…。
そこでこの子は入学時に、両親とこのような約束をしました。
毎日特に意図せず、適当な時間に大学を出て「大学前駅」へ到着する。そこで一番最初に来た列車に乗って、それが上り列車ならまっすぐ家へ帰る。下り列車なら「遊戯駅」で遊んで帰る。
ちなみにこの鉄道は上り列車も下り列車もどちらも30分間隔で走っているので、本数は同じです。だからまっすぐ帰宅する確率も、遊んで帰る確率も50%のはず。両親もこれを聞いてとりあえず納得しました。しかし…
現実には最初の1ヶ月、この子がまっすぐ帰宅してきたのは1回だけ! 残りの日はほぼ毎日下り列車に乗って遊びに出てしまうのでした。しかしこの子は約束を破っているわけではありません。ちゃんと何も意図することなく適当な時間に大学を出て、駅に到着して最初に来た電車に乗り込んでいるだけです。つまり単純に、下り列車に乗る確率が、上り列車に乗る確率の約30倍になっているというわけです。
さて問題、これはどのようなからくりになっているのでしょうか!?? じっくりと考えてみて下さい。あくまでもこの子は約束通りに行動しています。「下り列車をつかまえるために歩くスピードを調整している」とかそういった事は一切していません。