問題61:東海道の雪の名所!?(24年10月出題)
第130回の旅日記に「蒲原夜の雪」について書きました。安藤広重画の東海道五十三次内でももっとも有名な宿場の一つ、蒲原ですが、実は五十三次画は広重が特に各宿場の「自然」に主眼をおいて描いたものだと言われています。そこに存在するのは山やら川やら海やら松並木のような「存在する自然」だけでなく、雨・雪・四季・祭のようなその時期にしか見られない「移りゆく自然」にも目を向けた名画ばかり。五十三次を順に鑑賞していくだけでも一つの企画展を訪ね終わった気分になれたりします。
さてせっかく「蒲原夜の雪」の話を出したので、今回の出題は「五十三次の雪」についてのものにしようと思います。まぁ、どう考えても太平洋に沿った旧東海道沿いに雪の名所なんてあるとは思えないのですが、実は蒲原以外にももう1カ所、広重によって雪景色が描かれている宿場があります。そこは一体どこでしょう? ただし富士山が描かれていてその山頂に雪が描かれているだけのものは除きます。
この機会にぜひ五十三次の広重画を順に堪能してもらえたらと思います。
ちなみに中山道六十九次にある雪の名所といえば、豪雪地、関ヶ原。しかし関ヶ原の広重画には雪はまったく描かれていません。広重と英泉による六十九次(正式名称は「木曾街道六十九次」)もぜひ余裕があれば眺めてみてください。