ナンバーワンにならなくてもいい、
もともと特別なオンリーワン♪ って本当?
まず最初に断っておきますが、私はSMAPのことを嫌いではありません。歌はうまい人もそうでない人もいますが、5人が5人とも個性を持っていて、芸能界の様々な分野で活躍している、素敵なユニットだと思っています。そのことをしっかりと伝えた上で、次の話をしようと思います。
「オンリーワン」って一体何でしょう。直訳すれば「たった1人の」という意味になるでしょうか。つまり人間は皆、1人1人それぞれに価値があり、存在そのものが大切だ、ということなのでしょう。もちろん1人1人が大切な存在であることは当たり前のことです。最近の一連の自殺報道を見ていると、元教員という立場からも、また1人の人間としても辛くなります。死んだら終わりです。生きているということから何かが始まります。
でも「生きているだけで価値あるもの。だから頑張らなくてもいいんだよ」と、そんな風に上の歌詞を解釈してほしくはありません。「オンリーワン」というのは他の人と比べて「唯一の存在」であるという意味で、他の人を無視して「勝手な自分」でいいというわけではないのです。「オンリーワン」になるために周囲と違うことをわざわざやろうとか、他人にあわせることなんて必要ないとか考えるのは、完全な筋違いです。
「オンリーワン」は素敵な言葉であると勘違いしている人が、今の世の中にはたくさんいるような気がします。いやいやそうではなくて、頑張っている1人1人の個人が「オンリーワン」であって素敵なのだ、ということに気付いてほしい。「ナンバーワン」を目指して汗を流して努力して、その結果が1位であろうと2位であろうと、10位であろうと100位であろうとそれはそれでいい、と言っているのであって(本当はそれにもあまり賛同しません。人生は絶対に勝たなきゃいけないこともあるのです)、適当に生きて100位になってそれを「オンリーワン」と思い込んでしまうような、そんな甘えた人間にはならないでもらいたいのです。
先週は人権週間でした。わざわざ人権週間に、一見すると個人を尊重していないかのような文を書いてみたわけですが、今回は「人権ナントカ委員会」を敵にまわしてもいいので、もう一度声を大に…いやいや字を大にして述べたいと思います。
「オンリーワン」という言葉を言い訳に使うな!!
そしてやるからにはやはりナンバーワンを目指してほしいものです。
はなぶさ通信 第20号(平成18年12月12日発行)より