少年老い易く、学成り難し
私がこのエッセイを書いている今日は、全国で大学入試センター試験が行われている1月19日です。大学受験に向けてここからがいよいよ本番。全力でサポートしていきます。受験生、あと一息!
毎年受験生を担当していますが、中学3年生も高校3年生もこの時期になると「時間って足りないものだなぁ」と実感しているのが伝わってきます。そう、時の流れというものは非常に速い。日本のことわざにも「光陰矢のごとし」「歳月人を待たず」とか、そんな意味を持つものがたくさんありますね。皆がこの文を読んでいる頃には(一番早い子で1月22日ですが)、計算上は今年も約1/16が過ぎ去ってしまっていることになります。まだ正月を迎えたばかりだなぁ、ってボ〜ッとしていると、アッという間に年をとってしまいそうです。
さてそこでタイトルの「少年老い易く、学成り難し」の話になるわけですが、「少年老い易く」の部分は全段落で述べた通りの意味だとして、「学成り難し」とはどんな意味でしょうか? これは、ある「学問」を完成させるには相当の時間がかかるので、ゆったりしすぎていると何もできずに終わってしまうよ、という感じでしょうか。つまりこれは「たっぷり時間があると思うなよ! 勉強には結構時間がかかるぞ!」ということを伝えたいものなのだと思います。ちなみに「少年老い易く、学成り難し」の続きは「一寸の光陰、軽んずべからず(ほんの短い時間も無駄にしてはいけない)」となっています。
ここでの「学」という言葉は、単に学生の「勉強」だけを指すのではなく、大人としての「仕事」を指すものだと考えることもできます。例えば、この私。大学1年生(19歳)の時から教壇に立ち、きっと「人に物を教える」ことを一生の仕事としていくのでしょうが、100%理想の教育者(まぁ言ってみれば仙人のような…!?)になれるのはいつなんでしょう? というより死ぬまでになれるのでしょうか? ただいずれにせよ、たった1日、1時間であっても無駄にしないで自分を磨いていくしかありません。ボ〜ッとしている暇ははっきり言って「無い」! 私の手帳のやることリストは常に満タンです。
でもよく考えてみると、これってとても幸せなことなんじゃないかなと思います。一生をかける仕事があり、それに向けて努力できるだけの環境があるのだから。手帳のやることリストが空白であるってコトよりも数倍、数十倍幸せなんだと思っています。
今、手元に資料がないので誰の名言だったか分かりませんが、こんな言葉があります。
「何もしないのなら人の一生は長すぎるが、何かをしようとするには人の一生は短すぎる」
全力を傾けられるだけの若さと活力があるうちに、私も一生懸命「教育」の勉強をしようっと…。
はなぶさ通信 第48号(平成20年1月22日発行)より