学問の道しるべ(高校生国語)

 高校生の国語は何と言っても「古典」が中心です。もちろん看護系を中心として「現代文のみ」を課す大学もありますが、センター試験をはじめ国語で点差が開くのはとにかく古典なのです。古典はある意味「外国語」と似ています。それなりに学習時間を割かないと学力は付きません。「国語に費やす時間があったら英語か数学だよ」と考えている人は、明らかに考え違いというものです。

     

 さて古典は「古文」「漢文」と大きく2つの領域から成り立っていますが、まず先に古文をやって下さい。漢文には随所に古文の要素が出てきますから、ひととおり古文をやってから漢文に手を付けた方が効率がいいはずです。具体的に言うと、次の2つをなるべく短期間(1ヶ月以内くらい)にひととおりこなして下さい。

 ・市販の語彙集で古文単語を300個覚える…すぐに忘れてもいいから、とにかくいったん脳のデータに入れる。
 ・動詞(9つの活用)
  形容詞・形容動詞(2種類ずつの活用)
  助動詞(意味と活用と接続)
  敬語(主要動詞の尊敬語・謙譲語)を覚える
      …これもとにかくいったん脳のデータに入れる

 これができたら短めの古文を2日に1つずつ読みます。口語訳を見てもいいので(というか最初から見ないで読むというのは無理です)上で覚えた単語や文法事項を1つ1つチェックしながら読み進めて下さい。これは結構大変な作業なので、最初から長い古文にあたると挫折します。10行くらいの古文でも、初めのうちは1〜2時間かかるはずですが、それを丁寧にこなしているうちに徐々に調べなくても分かる単語や文法事項が増えてきます。ちなみに私が高校生だった頃は、1ヶ月半くらいでおよその文法事項(例外的なものは除き)は自分で自分に解説ができるようになりました。

          

 次に漢文です。こちらは古文ほど多くの文法事項があるわけではありません。というより、漢文の文法事項の多くは古文に準拠していますから、上で述べた古文の基礎ができていれば…の話ですけれども。

 漢文はまず「返り点」についてしっかりと理解して下さい。これはきちんと学べば、何も分かっていない状態からでも30分くらいで完成します。次に再読文字や否定形などの「句形」をおさえてください。分類法によって多少異なりますが、句形は12形しかありません。これも古文の学習に比べたら驚くほど楽に完成するはずです。

 ここまできたら、古文の時と同じように短めの漢文に当たりましょう。特に初めのうちは本当に短くて簡単な文で構いません。ただし少し時間をかけて次のような勉強法をお薦めします。

 ・本文の白文(返り点や送りがなのない状態)を写す。
 ・白文を見て書き下し文が書けるようにする。
 ・白文を見て口語訳が言えるようにする。

 これも最初のうちはかなり時間をとるはずです。しかし2ヶ月くらいすると(題材で言うと15〜20個目あたりでしょうか)かなり楽にできるようになっていることを実感できます。それは漢文の基本句形は先に述べたように12形しかないので、とにかく同じような形がくり返しくり返し出てくるからです。

   

 ところで、漢文にも市販の「語彙集」は存在します。実は私も高校時代に自分で購入したものを1冊持っています。が、結果的には漢文の語彙集は(私にとっては)あまり用をなしませんでした。どちらかというとたくさんの漢文を読み、書き下しや口語訳を暗誦していく中で、漢文の単語は頭に入ったような気がします。例えば「悪」という語には「にく(む)」「みにく(し)」「いづ(くんぞ)」「いづ(くに)」と多くの読みや意味がありますが、これらは語彙集で覚えるよりもいくつかの題材に当たっていく中で身につけていく方が効果的だということです。そこは、市販の語彙集で覚えなくてはならない英単語や古文単語との大きな違いと言えるでしょう。

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