学問の道しるべ(中学生数学)
数学は、英語と並んで、いや場合によっては英語以上に苦手とする生徒が多い教科です。もちろんその逆に、得意で得意で仕方ない、もっと難しい問題を出してくれ!ってな生徒もいるのも事実です。ではまず中学校での数学の勉強の仕方について…。
現在の中学校の数学の教科書は、どの学年においても、前半が計算と方程式、中盤に関数、そして後半に図形という構成になっています。具体的に見てみましょう。
1年:<前>正負の数、文字式、方程式
<中>比例と反比例
<後>図形の性質、立体の求積
2年:<前>文字式どうしの乗除、連立方程式
<中>一次関数
<後>図形と合同
<おまけ>確率
3年:<前>展開と因数分解、平方根、二次方程式
<中>二次関数
<後>図形と相似、三平方の定理
これはつまり例えば、1年生の後半の図形でつまずいたとしても2年生の前半の内容への影響は少ないということを意味し、次に図形の学習が始まる2年生の後半までの半年間で立て直すことが可能だということになります。ここが次から次へと積み上げて行かなくてはならない英語との大きな違いで、図形の弱い生徒は前半の半年間で、計算・方程式の苦手な生徒は後半の半年間で、それぞれやり残しを克服する猶予が与えられるわけです。だから、絶対に諦めずに(別に英語は諦めてもいい、って言っているわけではありませんよ)苦手な分野に取り組んでほしい。弱点克服に取り組めば取り組んだだけの効果が必ずあります、それが中学校の数学です。
え? 計算も図形も両方苦手な人は?って?? う〜ん、…頑張れ…!!
ところで、定期試験は別にして高校入試の数学に関して言えば、欲張りすぎないことも大切です。愛知県の数学の入試問題は20問(20満点)ありますが、易しい問題10問、やや難6問、かなり難4問、という構成になっています。時習館高校、岡崎高校など一部の高校を除き(他教科の点数にももちろんよりますが)、数学は10〜12点でも十分に合格できます。いわゆる「捨て問」がどれなのかを見極める能力も、ある意味必要になることも覚えておきましょう。
最後に一言。数学が大好きな人間の先輩として言わせてもらえば、中学校の数学がもうあまりにも簡単すぎて困ってしまうほどの生徒は(たぶん各中学校に何人かはいるはずです)、難問を集めた難しい問題集にガンガンあたってほしいものです。少しでも頭の柔らかいうちに…。ただ、高校の数学の内容にまで無理して踏み込む必要はないと思いますが…(これは私の持論ですけどね)。