解答25:まぎらわしい宿場!?(21年10月出題)
答え→赤坂宿
似たような名前の宿場は他にもいくつかありますが、まったく同名の宿場はここだけです。「じゃぁ赤坂宿で待ってまぁ〜す!!」(こんなこと江戸時代の人が言ったかどうかは分かりませんが)なんて約束しても相手はいっこうにやって来ない…。問い合わせてみたら(どうやって!?)「あっ、中山道の赤坂宿かぁ! 僕はてっきり東海道の赤坂宿かと思ってたよ。悪い、悪い!」「もう!! 早とちりなんだからぁ!!」なんて恋人同士の会話があったかどうかは知りませんが(たぶんなかったと思います)、偶然両方の街道に同じ名前の宿場があるというのも面白いですね。
東海道の赤坂宿は愛知県豊川市(旧音羽町)にあり、東海道では36番目の宿場です。最寄りの駅は名鉄本線の名電赤坂駅になります。私の住んでいる御油宿の次の宿で、この御油宿と赤坂宿は東海道五十三次の中でもっとも短い宿場間距離です。それでも東海道随一の松並木が残されていますから、歩いてみる価値は十分にあります。また東海道筋で唯一現在も営業を続けている(すごいですよね!)大橋屋もあります。ちなみに赤坂宿の次の宿場は藤川宿です。
これに対して中山道の赤坂宿は岐阜県にあり、中山道では58番目の宿場です。最寄りの駅は東海道本線(支線)の美濃赤坂駅。大垣駅から伸びる支線の終着駅です。美江寺宿の次の宿場で、次の垂井宿までの間には美濃国分寺跡などの名所があります。
ちなみに大きな峠の直前にできる宿場には同じような名前が付くものだと思い調べてみましたが、東海道の鈴鹿峠のふもとにできた宿場は坂下宿(坂の下にあるから)。それに対して中山道の碓氷峠のふもとにできた宿場は坂本宿(坂のふもとだから)で、残念ながら同名の宿場にはなりませんでした…。
大井宿なんてのもありそうですが、意外にも中山道には大井宿があっても、東海道には大井宿はありませんでした。また、地名の由来からして両街道に存在しそうな宿場名として考えられるものとして、追分宿、新町宿、八幡宿、本山宿(以上は中山道のみ)、原宿、府中宿、二川宿、宮宿、関宿(以上は東海道のみ)がありますが、どれも一方の街道にしか存在しませんでした。小田原宿(東海道)と小田井宿(中山道)も一字ちがいですね…。