第105回 楡原(富山県富山市)→富山(富山県富山市)

平成18年3月20日 曇り時々雨・雪 20.1q 5時間40分

久々に平野部へ

 僕たち愛知県民にとって「3月」と言えばもう春。寒さも和らいできて、虫たちもそろそろ活動を始める季節というイメージになります。しかしそれは太平洋岸での話。雪深い北陸地方では、まだまだ積雪に悩まされる季節なのです。

 今回のウォーキングは北陸旅行の一環としてやって来ました。前日に電車で富山入り。しかも松本から大糸線を使って糸魚川へ抜け、そこから有名なトンネル駅である筒石駅(筒石駅については110回の旅日記参照)を見学して、ようやく夜遅くに富山に到着しました。ここまでしてもし雨だったらどうしようとも思っていましたが(予報は結構微妙でした)、その時はその時でチューリップ園でも見物して帰ろうかなぁと予定していました。

 結局はウォーキングを中止するほどの悪天候ではなく、決行! 富山からJR高山本線に揺られて、出発地である楡原駅に向かいました。ローカル線であるにも関わらず、青春18切符が使用できる期間であったということもあり、車内は旅客で満員でした。隣には男4人で旅をする大学生(らしき)グループが、トランプに興じていました。

 ほとんどの乗客は(というより僕以外のすべての乗客は)終着の猪谷駅まで行き、そこから列車代行バスに乗り換える予定なんだろうなぁと思っていると、果たしてその予想は当たり、直前の楡原駅で降りていくのは僕だけでした。さっきまでの喧噪が嘘のように静かな駅に降り立ち、さぁ富山に向かって出発です。

 行く手には富山平野がひらけ始め、コースも平坦な所にやって来たことを実感できます。しかし後ろを振り返ってみると、そこにはまだ白く雪をかぶった飛騨の山々が、僕を送り出してくれていました。そしてしばらく歩くと空からも白いものがパラパラと…。

 3月なのでシンシンと降りしきるような雪ではありませんが、シャーベットのようなシャビシャビの雪で、その分よけいにコートが濡れてきてしまいました。でも予報ではそれほど長い時間降り続くというわけではなかったので、傘もさすことなくそのまま歩き続けました。

 都市部が近付いているので、それほど景色の名所は多くないのですが、旧細入町を出る頃に神通川を右岸に渡ります。そこに架けられている橋が笹津橋。歩行者用の小さな橋が別に架けられていて、神通峡と周囲の山々にマッチした造りということで、国登録の文化財になっています。渡り終わった後、横からその橋の景観をしばし眺めました。ここからが旧大沢野町です。

 JR高山本線は左手(西側)にいったん遠く離れていってしまい、今回の終着である富山駅までしばしのお別れとなります。そして国道41号線はここから本格的に都市路線になります。コンビニやらビジネスホテルやらが両側に登場し、完全に飛騨路を抜けてしまったという感覚が何だか寂しい気がします。進行方向右手には今度は雪を残した立山連峰が連なり、これからはあちらに向かって進んでいくことになります。

 ほどなく車線も片側2車線、そして片側3車線と広くなり、北陸自動車道の富山インターチェンジが見えてくると、もうそこはただただ「歩く」ことをこなしていくだけのバイパス道路になってしまっています。やがて富山城址が街中に突如として登場し、正面に今回の終着となる富山駅が立ちはだかりました。実は第98回以来、久しぶりの20q台ウォークとなりました(この間、30q台、40q台はあります)。

 富山市は言わずと知れた富山県の県庁所在地です。県庁所在地を歩くのは第96回の岐阜市以来。考えてみれば岐阜市と富山市は隣県の県庁所在地どうしなんですね。この日は富山駅のターミナルビルの2階でそばを食べてしばし休憩し、ホテルへ戻りました。最初は雪の降る天候ではありましたが、もうこの頃にはしっかり晴れ始めていました。

 次回は富山平野の海沿いを東進し、滑川へ向かいます。しばらくは山のない、平地が続きます。



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