第120回 伊勢崎(群馬県伊勢崎市)→足利(栃木県足利市)

平成22年9月22日 晴れ 25.9q 6時間30分

あはれ今年の「夏」もいぬめり

 熱中症に苦しめられた前回のウォーキングから1ヶ月余り。秋の彼岸も近くなってきてそろそろ涼しくなり始める頃かなぁと思っていましたが、前日の天気予報では「今年最後の猛暑日になり、夜からイッキに秋の気配になる」とのこと。ウォーキングをする日中はどうやらまだまだ暑そうです。ま、それならそれで前回のリベンジをしよう!

 出発は伊勢崎駅南口。駅前の交差点からは2本の県道が東に向かって伸びていて、一本は北北東へ伸びる県道でこれは桐生へ向かう道。そして東北東へ向かう県道は栃木県の足利へ向かう道。最初は桐生へ向かおうと思ったのですが、いずれにせよ栃木県へ向かう予定だったので、それなら最初から桐生をまわらなくても…ということで、国定忠治のふるさと赤城山は遠目に眺めるだけにして、まっすぐに足利へ向かいました。

 この足利へ向かう県道はず〜っとず〜っと一本道なので道を間違える心配はありません。しかもスタート直後の「足利へ23q」という標識から始まり、1qか2qごとにカウントダウン標識が設置されているので、歩く方としてもペースがつかめて非常に歩きやすい。このような配慮は(特に目的地がはっきりしている各地の県道は)しっかり見習ってほしいものです。

 しかし見習ってほしくないこともあります。それは「歩道への配慮の無さ」です。群馬県は自家用車の保持率全国第一位の都道府県。つまり人口に比して自動車の保有台数が非常に多いことになります。恐らく典型的な車社会なのでしょう。そのせいもあってか、歩道が何の前触れもなく途切れていたり、また逆に(土地の広さに余裕がある箇所では)無意味に広い歩道が作られていたり、とてもじゃないけど歩行者のことを考えて作られた歩道とは思えません。今回新しく国土交通大臣になられた馬淵さん、何とかしてくださいね。

 それにしても上州の盆地は非常に広い。関東平野の北端にあたるこの地域は山々がまったく見えないわけではありませんが、少なくとも東や南の方角にはただただだだっ広い空が広がっているだけです。この日は天気もよく、綺麗な秋の空が(あくまでも雲だけです、秋なのは)悠然と広がっていました。山歩きは嫌いではありませんが、たまにはこのような平野部を歩くのも悪くないです。

   

 この日の最高気温は35℃。前回のウォーキングの際の気温は39℃でしたから、その差は約4℃ということになります。風は前回も今回もほとんど無く、その点においての条件はほとんど同じでしたが、この4℃の差はとても大きいのだと実感しました。たぶん「体温より高いか低いか」という差なのでしょう。バテ始めてきても木陰で飲み物を口にすればたちまちのうちに体力が回復していくのが分かりました。汗の量も前回と今回はほとんど変わらなかったような気がしますが(もちろん計量したわけではありませんが)、35℃と39℃との違いはこういったところにあるのだなぁと思いました。 

 国道51号線と立体交差し、北関東自動車道ともついたり離れたりしながら、道は群馬・栃木の県境に近付いていきます。民家と民家の間に流れる非常に小さな小川が県境になっているようで(山の少ない関東地方の県境は、このように小さな川であることが多いようです)、第117回で碓氷峠から入って以来の群馬県とここでおさらばし(近々また群馬県には少しだけ入る予定ですが…)、栃木県に初見参となりました。これで13個目の都道府県を踏んだことになります。

   

 今回の目的地である足利市は栃木県の南西の端に位置する都市で、同じ栃木県の都市として隣接しているのは佐野市だけです。つまり佐野市にすっぽりと囲まれてしまうくらい栃木県の端っこに位置しているわけです。街の真ん中には足尾鉱毒事件で有名な渡良瀬川が流れ、森高千里の歌で有名な渡良瀬橋もかかっています。今回はルートの関係でその隣の緑橋を渡ることになりましたが、かつては鉱毒に汚染されていた渡良瀬川流域も今は非常に綺麗な景観となっています(水質がどうなのかは分かりません。まだ調べていません)。河川敷には渡良瀬緑地が広がり、旅人の目をしっかりと癒してくれました。

   

 渡良瀬川の北岸に渡ると、ゴールの足利駅はもうすぐです。足利は、そばとともに歴史の街。すぐ近くには日本中世の最高学府であったと言われる足利学校、そして足利市の館・氏寺であった鑁阿寺(ばんなじ)など、名所も駅周辺に集まっており、歴史とそば好きには一日いても飽き足らない所でしょう。一歩足を伸ばせば国定忠治の墓をはじめとしたうどんの里桐生、さらには次回歩く予定のラーメンの名所佐野など、この両毛地域はもっともっと大きな観光地帯となってもいいような都市がたくさんあることに気付きました。

   

 余談ですが、この日はウォーキング後に車で距離計測をしましたが、このたった数時間の間に35℃あった気温は23℃までみるみる下がり、ホテルに着いた頃には雷鳴とどろく豪雨に変わっていました。女心と秋の空、そんな季節がやって来たことを実感する、季節の変わり目の一日でした。時は着実に流れていくのですね。

 次回は栃木県をさらに東進し、渡良瀬遊水池近くの藤岡に到着します。



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