第23回 横山町(静岡県天竜市)→天竜二俣(静岡県天竜市)

平成11年10月11日 晴れ 11.8q 2時間40分

月までの距離

 今回もまた天竜二俣駅へ車を置かせてもらい、バスで横山町バス停までやって来ました。さぁ今回は久しぶりに電車の駅に向けて出発です。

 横山町バス停を出るとすぐ目の前に信号機のある三叉路があります。直進は再び山の中へ向かい、熊(くま)という地域へ到達するコースです。熊は「くんま」とも呼ばれ、水車のある風景で有名です。道の駅もあります。ただここからはかなりの距離もあり、ウォーキングは当初の予定通り三叉路を左折して天竜川沿いに天竜市街へ向かいました。

 天竜川に沿ったこの国道は非常にいい道で、途中で小さなトンネルはあるもののとても歩きやすい。この先に船明(ふなぎら)ダムがあるため、相変わらず水面は静かで緑色に光っていました。しばらく進むと道の駅「相津(そうづ)はなもも」が左手に見えてきます。上を見上げると何やら橋がかかっていて、歩行者がその上を散歩しているのが見えます。

   

 第21回から今回まで、3回かけて歩いてる中部天竜〜天竜二俣間は、実は佐久間線という鉄道が走る予定でした。この佐久間線は結局完成することなく工事計画が凍結されてしまい未成線となりましたが、すでに一部のトンネルや橋だけは完成してしまっており、この道の駅の真上にある歩道橋(散歩用)もその時に架けられたものです。そしてこの道の駅のある辺りに「相津駅」ができるはずだったと聞いています。う〜ん、佐久間線、ぜひ完成してほしかったですね(きっと青春18切符の時期には、僕は毎年乗りに来ていたことでしょう)。ちなみに前回や前々回の旅の終着地となった「瀬尻」「横山町」にもそれぞれ駅が建設される予定だったようです。

 さて相津を過ぎても景色はあまり変わらないのですが、天竜川の対岸(右岸)には小さな集落が見えています。この集落は「月(つき)」と呼ばれる集落で、今歩いている国道には「↑月 3q」と書かれた標識もあります。この標識はかつて人気番組「トリビアの泉」にて、「月までの距離を示した標識が静岡県にある」として紹介されていましたから、見たことのある人もいるかも知れません。車で向かうならば、天竜二俣側から横山町に向かって走ると目に入ってきます。

   

 さてこの辺りから、今回の旅は苦行の様相を呈し始めます。10月とはいえ歩いているとまだ少し暑いのですが、それにしても汗の出方がハンパではない。そのうち、頭痛もし始め…。これは風邪かな!?

 船明ダムに着いた頃にはもう疑うことなく「風邪だ」と分かるくらいの症状になっていました。それでも終着地の天竜二俣駅はもう少し先。頑張って残り1時間くらいを歩き切り、何とか天竜二俣駅まで到着しましたが、残念ながら最後の方のコースの記憶はあまり残っていません。

 天竜二俣駅は天竜浜名湖鉄道の中ではもっとも大きい主要駅です。天竜浜名湖鉄道はもともとは国鉄二俣線という名称で、三ヶ日辺りから姫街道と併走してきている路線です。浜松を通る東海道本線が太平洋戦争により爆撃被害を受けた場合の代替路線として、浜名湖の北岸を通るように敷設されました。新所原駅から三ヶ日、気賀、天竜などを通って掛川駅で再び東海道本線に合流するローカル線で、今はJRではなく私鉄です。

   

 次回からはこの天竜浜名湖鉄道に沿って、茶畑の広がる平野の中を掛川方面に進んでいきます。


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