第25回 細谷(静岡県掛川市)→菊川(静岡県小笠郡菊川町)

平成11年11月28日 晴れ 14.5q 3時間20分

流水寿司

 奥三河の旅と称して始まったこの旅も、前回くらいから市街地に出始め、「奥三河」という一連の空間からは脱出したような感じがします。しかし、かと言って旅は復路に向かうわけではなく、ここからさらに東進して愛知県から遠ざかっていきます。

 今回のウォーキングは11月末。「真冬」という言葉を使うにはまだ早いものの、出発は早朝ということもありコートを着ていくかどうか迷いました。コートを着ていくとすると、もしも昼になって暑くなってきた時には脱いで手に持って歩かなければならないのですが、それでもコートを持っていく利点はあります。それは、ポケットが多くなるということ。

 僕はB5版の大きな手帳を常に身に付けて行動しているのですが、ウォーキングの際だけはこの手帳を持ち歩くことはしません(非常に重いのです)。そこで重要事項(歩く予定の簡単な地図、およその距離、などなど)を書き込んだ、ウォーキング時用の小さな手帳を持ち歩くのですが、「小さな」とは言っても手帳だから結構かさばる。それに財布、タオル、携帯電話、車のカギ、これだけでもジーンズのポケットはパンパンです。よってコートを着ていくということは、これらの物品の収納場所ができるということなのです(ちなみに夏場は小さなバッグに詰め込んで脇にかかえていきます)。

 でも今回は迷った末にコートを着用せずにスタート。そのおかげで身体が暖まるまでの最初の1時間くらいは少し肌寒く感じました。こういう日は余計な筋肉を使ってしまうので、後半になって疲れが出てきやすくなります。

 大池交差点で国道1号線と合流します。第17回から始まった「奥三河・甲斐・木曽路の旅」では国道1号線に出会うのは初めてのことです。ここは上を掛川バイパスが走っているので、国道1号線自体はそれほど交通量はありません。しかしこの交差点はいろいろな飲食店が密集しており、町の中心地の1つであることには間違いありません。

 この交差点を過ぎても掛川駅まではもう少しあります。右手には終点近くなった天竜浜名湖鉄道がひっそりと走っています。「掛川市役所駅」なんていうかなりローカルな名称の駅も存在しています。しばらく小さな坂を上ったり下ったりしていると、ようやく右手にJR掛川駅が見えてきます。

   

 掛川駅はJR在来線、天竜浜名湖鉄道とともに、JR東海道新幹線の駅もあります。さぞかし大きな駅だと想像していましたが、実際には木造の小さな駅舎。今は建て替えられたかも知れませんが、地元にある名鉄の国府駅と同じくらいの大きさの駅だと思います(見た目はね)。それでもちゃんと新幹線は停車中でした。

 静岡県は新幹線の駅が6つ存在します(でも一部を除いて「こだま号」しか停車しない駅ばかりです)。横に長い都道府県だから当然と言えば当然かも知れませんが、かつては新幹線の駅がもっとも多く存在する県でした(今は東北新幹線が開通して、岩手県がもっとも多くの新幹線駅を擁する県になりました)。もともと静岡県の新幹線駅は熱海・静岡・浜松の3つしかなかったのです。後に新富士・三島・掛川の3つの駅が新設されて6つになりました。よって掛川駅は土地の少ない場所にあえて作ったのかなぁ、という気もしないではありません。何にしても掛川駅が無いと、浜松駅の向こうは静岡駅。確かにこれではちょっと駅間が空きすぎていますね。

 掛川駅を今日のウォーキングの終着にするには距離があまりにも短いので、もう少し先まで歩くことにしました。駅を越えても同様にJRの線路は右手を走り続けていて、道もそれに並行してずっと一本道になります。掛川駅から600mくらい進んだ陸橋下辺りが、スタートからの450qポストになりました。左手にはこじんまりとした寿司屋がありました(だいぶ前に店じまいしてしまい今はありませんが、この時は繁盛していました)。ここは大手チェーンによくあるいわゆる「廻り寿司」の一種なのですが、変わっているのは寿司皿が木船に乗せられていて、流水にのって流れてくるということ。設備は「流しそうめん」とおなじようなもので、食べていても何だか涼しい(この時は初冬でしたが)。味も結構おいしくてこの店はその後もお気に入りだったのですが、閉店してしまったのは非常に残念です。

 隣の菊川駅までは結構距離があるのですが、この県道はそこまでず〜っと併走していきます。菊川駅のすぐ手前で跨線橋により線路の右手に渡り、アッという間に菊川駅に到着してしまいました。菊川駅は、近年甲子園で有名になってきた「常葉菊川高校」のある菊川市(歩いた当時は小笠郡菊川町でした)にあります。静岡県の中でもさらに「お茶」で有名な町で、「きくかわ」ではなく「きくがわ」と濁って読むのが正しいらしい。駅自体は大きくありませんが、駅前には広場がありバスが発着しています。ここからは、法多山(第22回の旅日記参照)や御前崎などの太平洋岸に向けてバス路線が出ているらしい(僕も後に第78〜79回の旅でお世話になるバスです)。

 次回は久しぶりに30qを越える大ウォーキングになり、焼津に到着します。


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