第28回 静岡(静岡県静岡市)→興津(静岡県清水市)
平成12年1月5日 晴れ 16.3㎞ 4時間10分
つまんない…
今回は車でやって来ました。ここから先の下見をするという目的のため…。車は静岡駅へ置いて(有料でしたが)、前回の続きである国道1号線を歩き始めました。東へ東へ向かって…。
先に書いておきますが、今回の旅日記はつまらないし、短いものになると思います。なぜかというと、静岡市から清水方面へのこの国道1号線は何の特徴もない。ただだだっ広い、交通量のある国道がひたすら続き、両側には県庁所在地らしい高層ビル。景色も別にいいわけではなく(というより、ビルが多くて視界が開けない)、僕が興味をひかれたものと言えば、左手を併走している静岡鉄道(略して静鉄)のみ。この鉄道は豊橋市の渥美線や市電のように短い区間で駅を持ち(路面は走りませんが)、電車の本数も多いので歩いているとよく出会います。
まぁでも、この静鉄すらも特に特徴がある鉄道という訳でもなく、アッという間に清水駅へ。国道1号線の正面が清水駅となっていて、一瞬ここで国道1号線は終わりなのかと思いました(当然そんなことはなく、東京まで続いています)。よく見ると国道1号線は左に曲がって続いていて、ここからも同じような様子の道が続いていました。
こういう単調な道は歩いていて非常に疲れる…。田舎の一本道も風景に変わりばえがなくて進んでいる気がしませんが、景色を楽しめるだけまだいい。ビル街の続く一本道はそれすらない。今回は後から計測してみるとたった16.3㎞しかなかったにも関わらず、本当に疲れました。
唯一今回の旅で景色がよかった場所は、興津駅に到着する直前、国道から細い県道に入った辺りでした。ここから国道1号線、高速道路、JRはすべて海岸沿いに出ます(高速道路にいたっては海上を走ります)。「太平洋側の親不知」と言われ、北陸の本家本物の「親不知」は北アルプスがそのまま日本海に落ち込む場所であるのに対して、こちらは南アルプスが太平洋に落ち込む場所。つまり海と山の間に平地がほとんどないのです。よってここは国道1号線、高速道路、JRのどの交通機関を利用しても太平洋が間近に望め、場所によっては富士山も視界を占める。
ここの左手の丘に清見寺(せいけんじ)という寺があり、当然のように名刹の1つに数えられています。ここは難所親不知(前述のとおり)を通過するための薩埵峠(さったとうげ)を目前に控えて(薩埵峠については次回の旅日記参照)、江戸時代には大名行列や朝鮮通信使が休息のために多く立ち寄ったという由緒ある寺です。道路から清見寺に向かう階段を上っていくと、山門の前にJR東海道本線の線路が横たわり何だか非常に危険です。JRの電車もここを通過する時は少しスピードを落とし、必ず警笛を鳴らすことになっているようです。
東海道に沿って掛川からずっと東進して来た旅もここ興津まで。次回からは北に進路を変え、内陸の甲斐国(山梨)へ向けて富士川沿いを進んで行きます。