第3回 佐屋(愛知県海部郡佐屋町)→美濃山崎(岐阜県海津郡南濃町)

平成11年1月10日 晴れ 15.1q 4時間20分

卒業論文からの解放

 卒業論文提出から2日。解放感満点。最高の気分でウォーキングに乗り出しました。

   

 とは言うものの出発は午後1時20分。軽く昼食をとってからのスタートとなりました。名鉄佐屋駅にある駐車場(当時1日500円)に車を停め、ウォーキング開始。この日は一面の雪景色で、とてもキレイ。背景の養老山脈も雪一色で何だか本当にモノクロの世界にいるようです。僕は絵ごころはありませんが、この風景を描くならきっと白と黒の2色の絵の具があれば事足りるでしょう。

 歩き始めてすぐに国道155号線を横切ります。すぐに目の前には大きな橋! 余談ですが橋は嫌いです。高所恐怖症なので…。高所恐怖症でない人は「何が恐いの?」とよく聞きますが、恐いものはとにかく恐い。「この橋が今崩れ落ちたら…」とかそういうことを考えてしまうのです。今でもそうです。まぁ昔から「○○と××は高い所が好き」と言うので、僕は○○や××ではないのでしょう。良かった良かった。

 さてコースに戻ります。この橋で最初に渡るのは木曽川。橋は立田大橋と言います。木曽川は遠く長野県の木曽路から流れてきます。そしてこの濃尾地域では木曽川は愛知県と岐阜県の県境の役割も果たしています。ところで歩いてみて初めて分かったことだけれど、橋の上は本当にすべりやすいんですね。歩道がすべるすべる! しかも坂になっているから非常に危険です。

 でもとても気持ちいい。橋を歩いて渡る人はほとんどいないので、大声で歌を歌いながら橋を渡りました。単に高い所を歩いているという恐怖心を忘れるために歌っていたのかも知れませんが…。ちなみにこの時歌っていた曲は、石原裕次郎「わが人生に悔いなし」…。

 木曽川を渡り終えると引き続いて長良川を渡ります。こちらは長良大橋。長良川は木曽川とは違って岐阜県をずっと流れてきます。水源は美濃白鳥の北部にあるひるがの高原(大日岳)です。まぁ水源は違っても歩いている場所から見る景色は木曽川とほとんど同じです。でも橋の上というのは視界が開けているので飽きませんね。下を見るのは恐いので(高所恐怖症の人は皆そうです)、かなり間近に迫ってきた眼前の養老山脈をずっと眺めていました。この長良川を渡ると岐阜県海津郡海津町に入ります。

 この長良川と次に渡る揖斐川との間には木曽三川公園があります。ちょっとここで一休み。長距離ウォーキングの大変な所の1つは、疲れて休憩をとりすぎてしまうと逆に歩けなくなってしまうことです。ということで、10分くらいゆっくりした後、またすぐに歩き出しました。

 次は揖斐川。この橋は油島大橋といいます。揖斐川は岐阜県の揖斐川町に水源をもつ比較的短い川なのですが、なんとさっき岐阜県に入ったばかりなのにこの揖斐川を渡り終わると今度は三重県に入ってしまいます。ここら辺りは3県の県境にある場所なんですね。左前方には多度大社の大きな鳥居も見えています。ここは三重県桑名郡多度町。

 ちなみに1回のウォーキングで3つの都道府県をまたいだのは今のところ後にも先にもこの回だけです。僕だけかも知れませんが、県境をまたぐ時ってなんかワクワクしますね。実際には県境に線が引かれているわけではありませんが、そこから急に空気が変わるような気がします。

   

 国道258号線に出て柚井交差点を右折。高架道路になっていて歩道もなく危険なので、小さな脇道に入りました。すぐに再び岐阜県へ。月見の里、海津郡南濃町です。養老山脈を左手に見ながら、長い長い国道258号線をひたすら歩き続けました。いよいよ疲れ始めてきましたが、この国道はとても静かで気持ちがいい。途中右手にあったゲームセンターでラーメンを食べ、そのままゲームにはまっているといつの間にか外は真っ暗。やはり出発が遅かったのと、冬で日が短いということで当然といえば当然なのですが、そんなことすっかり頭にはありませんでした。急いで歩き始めましたが、途中から歩道がなくなりものすごく恐かったです。暗くなってからの歩行は厳に慎むべきだと悟りました。これ以降、日没後の歩行は一度もしていません。

 右手に駅の明かりが見えてきて、今回の終着地に着きました。近鉄養老線の美濃山崎駅。養老の滝からの清水でおいしいお酒が造られることで有名な土地です。清酒「やまざき」という銘柄(だったかな!?)、皆さんも聞いたことありますよね。

 さてこの日は車へ戻るにも大変でした。美濃山崎駅から車を置いた佐屋駅までは電車が直通していない(美濃山崎駅は近鉄、佐屋駅は名鉄、しかも近鉄と名鉄はこの辺りでは接続していません)ので、近鉄でいったん桑名駅へ。そこからJRで弥富駅へ行き、再び名鉄線で佐屋駅まで戻りました。たった数qのために3つもの路線には乗るし、3つの県をまたいで歩くし、第3回目のウォーキングにしてなかなか心に残る一日でした。

 次回は一気に20qの壁を越えて関ヶ原まで到達します。


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