第33回 韮崎(山梨県韮崎市)→富士見(長野県諏訪郡富士見町)

平成12年4月2日 晴れ 32.9q 8時間10分

山梨の富士山もいいんでないカイ!?

 旅程が半分を過ぎたということは、帰途に着くということ。やはりちょっと寂しい気持ちはありますが、今回は行程も長いのでまだまだ長い長い道が続いています。

 さて今回のコースは山梨県の西端、長野県との県境付近になります。韮崎は甲府盆地の西端にあたり、季節と天候によっては暴風が吹き荒れます。実は今回の旅は3月中に一度計画され、実行に移されました。しかし歩き始めてしばらくすると急に風が吹き荒れました。それでも逆風に逆らって進もうとしましたが、とてもじゃないけど前に進まない! 今回はJR中央線が丘の上を走っておりしばらく駅がないので、30q程度を歩き切る予定でしたから、こんな状態では厳しいかなぁと思っていた矢先…バ〜〜〜ン!!!

 歩道脇の簡易バス停標識が風で倒れてきました。もう少し歩く速度が遅かったら僕の身体がえじきになるところでした。う〜ん、危ない。仕方ない、ここは勇気ある撤退だ。…ということでこの日は無念の途中中止となり、4月2日、再チャレンジということで再び韮崎駅から歩き始めました。

   

 前方にだんだんと山が迫ってくると、それと同時に左手からも山が近付いてきます。左手には甲州名物の鳳凰三山。特にこの季節は雪が残っていてモノクロの鳳凰三山になっていて、もの寂しさが際立ちます。それとともに左後方を振り返ると…裏から見る富士山。久しぶりに見た富士山は周囲に何もさえぎる物がないだけにさらに大きく見え、山梨県側から見る富士山もなかなか素敵だなと思いました。

 国道と並行して走っていた小さな道を次々と吸収し、ついに国道一本だけがひたすら走る風景になると、長野県との県境も近付いてきています。国界(こっかい)というそれらしき地名の場所を過ぎると、突然に「長野県」の標識。第29回の旅から歩き続けてきた山梨県から足を踏み出し、初めての長野県に足を踏み入れました。ちょうど県境には道の駅「蔦木(つたき)」があります。道の駅はもともと、交通量は多いものの周囲に店はほとんどないという地域に作られるため、逆に言えば道の駅があるということは集落が少ないということになります。確かにこの県境は割と平坦な場所にあるのに集落は少ない。

   

 長野県に入ると、右手にJR中央線が再び近付いてきます(それでもまだまだ遠い所を走っていますが…)。最初の駅が信濃境(しなのさかい)駅。これは「県境」からきているのでしょうか? 国道にも駅の案内板があります。「信濃境駅6.5q→」!? えっ!? 6.5q!? まだかなり遠い所を走っているんだなぁ…。

 県境には峠はないものの、この先道は坂を上り始めます。そしてたどり着くのはまたもや「富士見峠」。場所的に考えて当然富士山がキレイに…と思いきや、まったく見えませんでした。曇っていたとかそんなんじゃなく、この峠はさらに周囲に山々が連なっておりあまり眺望が開けない。こんなに富士山の近くまで来て、またもや「うそつき富士見」に出会うとは…。

 どうやらこの峠は、単にこの町が「富士見町」であるということに由来するものであるということが後に分かりました。そしてこの峠付近がスタートからの650qポストになり、そのすぐ向こうのJR中央線の富士見駅を今回の終着地点としました。

 次回は信濃路をさらに進み、茅野市に到着します。

 


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