第39回 原野(長野県木曽郡日義村)→上松(長野県木曽郡上松町)
平成12年9月3日 晴れ 15.7q 3時間50分
木曽の桟(かけはし)
前回のウォーキングから約2ヶ月。9月と言えどもまだ残暑の厳しい中での原野駅出発となりました。結局7月後半から8月はまったく歩きに来ることができませんでしたが、この当時の高校教諭という職業柄、夏期講座などの関係もありなかなか夏は歩きに来られなかったのです(今は塾講師なのでさらに夏休み中は忙しいですけどね)。
ここは駅名のとおり周囲には原っぱが広がっています。山深い木曽路の中にもこうやって視界のひらける場所がいくつかはあるんですね。しかし集落を抜けるとまたすぐに両側を山に挟まれてしまいます。次にひらける木曽福島の集落までは木曽川とともに山の中を歩くことになります。名古屋市付近の濃尾平野を流れる「大河木曽川」しか知らない人は、この辺りの木曽川をぜひ見に行ってほしいです。河原で石遊びをする子供たちとその近くで涼んでいる老人たち。田舎にある小川のような姿の木曽川は、この川が日本で5本の指に入る大河であることを忘れさせてくれます。
さて木曽福島も前回の薮原と同様、スキー場としてよく耳にする地名です。JRの駅も少し大きめの駅になっていて、タクシーも常駐し、夏であっても登山・ハイキングなどに訪れた観光客がぞろぞろと歩いています。向こうも恐らく僕のことを観光客だと思って見ているのでしょう…。しかしこちらはそんな生易しい旅ではない! 何と言っても本当の旅人なのだ! 「観光客」と一緒にするな!
そんな事を口にするまでもなく、僕一人が山とは反対の方向へ歩いていくので、周囲の人たちは僕のことを奇異の目で見てくれます。(ちょっと痛い視線ではありますが)これぞ、僕の望むところ。またすぐに一人旅に戻ります。
中山道の史跡の1つ、木曽の桟(かけはし)が近付いてきました。この桟は木曽川にかかっている橋ではなく、木曽川の岸に設置されたものです。この地点の木曽川は左岸に断崖絶壁が迫っており旅人が川岸を歩けないので、そこに大きな木を横たわらせたものです。今は桟の上に国道が通ってしまっているので、橋で対岸に渡り反対岸から眺めることになります。木曽八景の1つです。しばしの間、水面からやや高い位置に石垣にへばり付くように横たわる桟を堪能しました。
せっかく対岸に渡ったのでこのまま国道の反対岸を歩くことにしました。意外に国道よりもいい道で少しだけ紅葉も始まっており、今回のウォーキングの後半は素敵なものになるなぁ…と思った瞬間でした。
…!? 突然の頭痛。しかもどんどんひどくなる…。道端に座って木曽川を眺めながら少し休んでみたものの良くはならない。どうやら夏風邪をひいてしまったらしい。次の上松駅まで約1時間、何とか頑張りましたが、熱のためか喉が乾いて乾いて、駅に着いてから電車の待ち時間にジュースをがぶ飲みしました。そのおかげで(お腹も弱まっていたのか)お腹も壊し、またこの次のウォーキングは1ヶ月以上先になってしまいました。
次回も上松からさらに南下を続けます。