第44回 釜戸(岐阜県瑞浪市)→多治見(岐阜県多治見市)

平成12年12月3日 曇り一時雨 22.0q 5時間20分

新首都は東濃へ!!

 今回は岐阜県の瑞浪市から始まり、土岐市、多治見市と、美濃東部の市街地を南下していきます。ただやはり雑然とした国道はなるべく避け、一本脇に入った県道を中心に歩くことにしました。

 出発は朝7時30分。少しでも岐阜県の自然を満喫しようと思い、早めにスタート。今回は出発地の釜戸駅に車を置かせてもらいましたが、出発しようとすると…(ここから先、食事中の人は読まないで下さい!)、朝の腹痛! 駅のトイレを探すが…無い!! スタートからいきなり非常事態発生!!!

 どうしようかと思って周りを見渡していると、偶然にもこの日はどこかの旅行会社主催のウォーキングラリーが開催される日のようで、釜戸駅もチェックポイントになるらしい。そんなわけで仮設トイレが運ばれてきていました。何と幸ウン…いや幸運!! 係員の方たちに使用をお願いすると快くOKしてくれました。ふ〜、助かった。

 スタートからしばらくは川沿いの小道を一人ポツポツと進みました。「一人」っていつも「一人」なんでしょ!?って思われたかも知れませんが、今回はこの辺りから珍しく二人旅になるのです。それは…

 何と放し飼いになっている民家の犬が僕に近寄ってきて(子犬ですが)一緒に歩き始めました。どうせそのうち戻っていくだろうと思っていると、意外にもそこから1q近くついてきてしまいました。これって下手をすると誘拐になるのかなぁと思いつつ(後で知ったのですが、動物の場合は誘拐とは言わず窃盗になるらしいですね)一緒に歩いていると、さすがに木曽川を渡る瑞浪大橋の手前から「彼(または彼女)」は引き返していきました。たぶん朝の散歩だったのでしょう。

 瑞浪市の中心地になる瑞浪駅(釜戸駅の次の駅です)に到着したのもまだ9時前で、駅前のデパートも開店していませんでした。この辺りで軽く朝食でも…と思っていたのに残念でした(結局もう少し先にあるコンビニで朝食を調達しました)。

 駅の先からまたまた県道は国道19号線に合流するのですが、僕は当然のように国道をそれて土岐市役所へ向かう県道に入っていきました。しかし、実はこちらの県道もかなり交通量があり、道も国道ほど広くなく、ところどころ歩道がない。このルート選択は大失敗でした。

 歩行者にとってもっとも歩きにくい道路規格は、片側1車線で中央に分離線が引かれている道路。ドライバーは中央に分離線が引かれていると安心してスピードを上げてしまう傾向にあるらしく、このタイプの道路は歩行者にはとても危険です。数年前、愛知県のある道路で事故を減らすため、中央の分離線を消すという試みが行われました。一般的には分離線が無くなると対向車線にはみ出す車が出てくるので危険度が増すような気がしますが、現実には事故は激減し通行する車の平均速度も明らかに遅くなったそうです。やはり分離線が無くなれば無くなったで、ドライバーは自分で注意をするのですね。過保護は良くないということでしょうか。

 土岐市にも別れを告げる頃、やっと国道19号線に合流。やはり歩道がしっかりしている分だけこちらの方が歩きやすい。ちょっとした小高い丘を越えると、土岐市から多治見市に入ります。この丘からは土岐市の街並みを見下ろすことができ、丘の上には「土岐市市制00周年モニュメント」が建っています。国道沿いなので、車で走っていても見られます(というより、いやでも目に入ってきます)。

 多治見市に入ってすぐ国道から左折。ほどなくJR多治見駅が現れてきます。多治見駅は知られざる交通の要衝で、JRで言えば愛知県からの玄関口の役割を果たすとともに、JR太多線によって美濃太田方面からの出入口にもなっています。道路の面から見ても、多治見市は名古屋からの岐阜県の入り口であるだけでなく、国道248号線を通して瀬戸市とも密接につながっています。そう言えば多治見も瀬戸も(もちろん土岐も)焼き物・陶器で有名な地ですね。

 その昔、尾張から美濃にかけては琵琶湖の6倍もある大きな湖の底であったと言われています。その名は東海湖。何らかの事情でその湖は人類の登場前に姿を消したわけですが、湖底の水を豊富に含んだ土が陶器に非常に適しているらしく、この辺りの名産になったと言われています。

 今回歩いた東濃地方は(地元の人いわく)新首都候補地だそうで、歩いていてもあちらこちらに「新首都は東濃へ」といった看板や横断幕が目に入ってきます。確かに未開の土地はまだまだ大量にあるし、太平洋側だから意外にも交通の便は悪くないし、何といっても岐阜県は日本の人口重心地(つまり全国の人口分布の平均位置を計算すると岐阜県になるのです)ですから、新首都になるのも悪くないような気がします。でもやはり岐阜県に残る大自然を破壊してまで新首都にしてほしくないなぁという気持ちも個人的にはありますね。それほど岐阜県の山々は素晴らしい。同じ東海地方の人間として誇れるものであると思います。

 第33回の旅から12回かけて歩んできたJR中央線ともこれでお別れです。次回は、前半はJR沿線を歩きますが、途中からJRと離れて名古屋市内の一社に到着します。

 

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