第45回 多治見(岐阜県多治見市)→一社(愛知県名古屋市名東区)
平成12年12月17日 曇り一時雨 31.4q 7時間40分
フルーツ、ウォーター、平和
多治見から愛知県に向かうルートは大きく分けて3つあります。1つは国道19号線を走って春日井へ抜けるルート。まぁこれが一番まともなルートでしょう。2つ目は国道248号線を走って瀬戸から豊田へ向かうルート。このルートはほんの少し山越えになりますが、沿道には古い街並みが残る、なかなか趣のあるルートです。
しかし今回のウォーキングはそのどちらも選択せず、JR中央線沿いに進む第3のルートを選びました。この道は「愛岐道路」と呼ばれ、知る人ぞ知る快走路なのです。ただし快走できるのは車の話で、歩行者にとっては歩道のないやや危険な道になります。まぁもともと歩行者には「快走」なんてできませんけどね…。
中央線に沿っているとは言っても、多治見から高蔵寺までの中央線は山あいのとても寂しい場所を通ります。その間にある古虎渓(ここけい)、定光寺(じょうこうじ)という2駅は停車する列車も非常に少なく(普通列車でさえ通過してしまうものもあります)、全国の秘境駅ランキングにも必ず登場するほどの駅です。民家が全くないというわけではありませんが、人間の姿はあまり見かけません。僕はこの2駅が今でも非常に好きで、中央線に乗る機会がある時は時間があればこれらの駅に立ち寄ることにしています。
古虎渓駅のすぐ近くには「古虎渓ハウス」と呼ばれる建物があります。と言ってもこれはレジャーセンターでもショッピングモールでもなく、ゴーストハウス、つまりは幽霊屋敷なのです。今回僕が歩いた愛岐道路沿いにあります(ここを歩いていた当時、僕はこの建物の存在を知りませんでした。だから平気で歩けたんですけどね)。興味ある人はまずはインターネットで検索でもしてみて下さい。
僕のウォーキングは古虎渓駅を過ぎる直前にスタートからの850qポストを記録しましたが、この辺りでいったん雨が強くなり、この先へ進もうかどうかしばらく迷っていました。しかしすぐに小雨になったため、思い切って歩を進めることになりました。古虎渓を過ぎるとすぐに岐阜県に別れを告げ、愛知県に入ります。第19回の旅で東栄町を出て以来、本当に久しぶりの愛知県になります。しかし県境は越えたものの景色は古虎渓付近とまったく変わらず、もう2時間くらいは山を見ながら歩き続けるのみでした。
ようやく名古屋市(ここは守山区)に入ると、ちょっとずつ人間のにおいがし始めます。交通量も急激に増えます(と同時に歩道も登場します)。ここから今回の終着地の一社に到着するまでに、「フルーツ」「ウォーター」「平和」の3つの共通した施設を目にすることになります。さてこれらが何なのか分かりますか?
まず左手に案内が出始めるのは東谷山(とうこくさん)フルーツパーク。12月なので特に何かがあるわけではなさそうですが、ここのフルーツパークは結構名の知れたものらしいです。僕はお隣の静岡県にある浜松フルーツパークしか知りませんでした(こちらは行ったことあります)。考えてみれば東谷山の方が同じ愛知県にあるフルーツパークで、近くにある浜松の方は隣県にあるって何だか不思議ですね。それだけ愛知県は広いってことでしょうか。
今度は右手に竜泉寺ウォーターパークが見えてきます。こちらはテレビのCMでもおなじみですね。しかしこんな所にあるとは、これまた全然知りませんでした。これでも僕は学生時代、4年間名古屋市に住んでいたんですが…。ところで「ウォーターパーク」ってただのプールとは違うんでしょうか!? あれだけCMでアピールするからには何か特徴的なことでもあるんでしょうか? 誰か教えて下さい。
ここで1つ不思議なものを発見しました。道路の真ん中の上空を高速道路みたいなものが走っているのですが、何と駅があるのです。えっ、これは高速道路ではないの!? 電車だったの!? さらにビックリしてしまうことには、この高架の上をバスが走っている!! 何!? これは何!?
後で知ったことには、これが噂の桃花台新交通システムだったのです。つまりは基本的にはバスなんだけれども、高架に入るとバスの車輪を折り畳んで列車のように走る、渋滞解消のための交通機関なのです(マニアの間では結構話題になりました)。しかしこのシステム、大赤字で今は廃止されてしまっていると聞きます。う〜ん、廃止前に一度乗ってみたかった…。
この先名古屋市は千種区に入ると、再び周囲が緑に覆われます。両側に広がるのは平和公園。まぁこちらは「平和パーク」とは呼びませんが、それにしても今回のウォーキングの後半は「○○パーク」が立て続けに3つ並びました。平和公園を過ぎると地下鉄東山線の一社駅はもうすぐです。思えば第1回の旅で出発した伊勝のアパートはここからすぐの所ですから、いろんな道を歩いて何だかスタート地点に戻ってきたような感覚に駆られました。
ちなみに今回紹介した愛岐道路はドライブにもとてもいい道ですが、途中何カ所か休日には混雑する渋滞スポットがありますので、行ってみたいという人はお気をつけて! もちろん「渋滞」スポットだけではなく「心霊」スポットにも充分気を付けて下さいね。
次回は豊田市へ到着。いよいよ三河へ戻ってきます。