第52回 朝倉(愛知県知多市)→築地口(愛知県名古屋市港区)

平成13年8月19日 晴れ 15.7q 4時間0分

昼は電車が来ない駅!?

 さぁ今回も真夏のウォーキングの始まりです。出発は朝10時40分。本当はもう少し早く出発したかったのですが、すでに暑くなってしまっていました。今日は何q歩けるでしょうか。

 朝倉駅近くの公園では少年野球の大会が行われていて、そんな夏の風景を眺めつつすぐに知多市から東海市に入りました。

 ところで東海市って、たぶん「東海地方」からきている市名だと思うのですが、自分よりも大きな地名を付けるのって何か尊大な気がしませんか? 東海地方の他の地域はどう思っているのでしょう? 同名の市は基本的に全国で1つしか付けられないという暗黙の了解がありますから尚更です。先日、僕の地元の豊川市が近隣町と合併する際に新市名を問うアンケートを実施していました。その候補名の中に「東三河市」というのがありましたが、もし豊川市が「東三河市」になんて改名したら豊橋市は絶対にいい気分はしないでしょうね。

 さてしばらく歩いていると頭上に何やら大きな高架道路が現れます。これは伊勢湾岸自動車道。ここから海上を走って弥富方面へ向かいます。どうせなら一緒に海上を歩いてみたいと思い歩道がついていないかどうか探してみましたが、残念ながら自動車専用道路でした…。仕方ない、一般道を歩き続けることになりました。こういった特徴のある道路には、今後ぜひぜひ歩道を設置してほしいものです。

 それにしてもこの日の日差しは考えられないくらい強烈!! 帽子を持っていかなかった僕も悪かったのですが、タオルを頭にかぶせながら歩いてもすぐにクラクラ。汗はボトボト。次第に視点も定まらなくなり…。

 名古屋市港区に入るとすぐに、目の前に名鉄の駅が現れました。駅名を見ると東名古屋港駅。はて、こんな駅あったかな?と思いつつもまるで砂漠でオアシスを見つけた気分! もう今日はやばい! 予定とは違うけど今回はこの駅を終着にしよう。熱射病にでもなったらエラいことだ。

 まずは駅のホーム(幸いにも庇が設置されていて日陰になっていました)に駆け込み、ベンチに座り、冷たいお茶を自動販売機で買って一気にグイッ! あ〜、助かった。電車の待ち時間はどのくらいだろう? 時刻表はどこかな〜っ、と!? あれ??

 何と電車が来ない!! いや、まったく来ないわけではない(まったく来なければただの廃駅ですよね)のですが、朝と夕方のみ。時刻表の昼の時間帯はまったく空欄になっています。これはどういうこと?

 そう、この駅は朝と夕方しか電車が来ないのです。この駅は築港線という名鉄路線で、常滑線の大江駅から分岐する1駅だけの路線です。つまりこの駅付近の工場(東レなどの工場があります)へ出勤する人たちの「足」としてのためにのみ敷設された路線で、そのために朝と夕方しか列車が運行されていないのです。後日、分岐する大江駅に行ってみましたが、築港線の乗り場は駅の片隅に寂しそうに置かれ、昼の時間帯はホームへの進入すらできませんでした。

 せっかく見つけたオアシスの水に毒をまかれた気持ちで、仕方なく東名古屋港駅をあとにして歩き始めました。結局今回のゴール地点となった地下鉄名古屋港線築地口駅までの道のりの長かったこと! フラフラになりながらのゴールでした。それでも後日距離を実測してみるとたったの15q程度。やはり夏のウォーキングは、熱射病防止に気を付けなければ…、と反省しました。

 ちなみに名鉄の築港線は、前述の特殊な運行形態以外にも電車マニアには知られた路線です。それはダイヤモンドクロッシングです。まぁ大半の方は「えっ、何それ? 宝石?」となると思いますので、簡単に説明してみます。通常、線路を道路が横断する場合には踏切が設置されます。接触事故が起こると危険ですから当然ですね。しかし線路どうしの交差はどうなんでしょう? 普通そういう場合は一方を高架かトンネルにして立体交差させるのですが、一方の路線の運行本数が少ない場合はそのまま線路と線路を平面交差させてしまうこともあるのです。2本ずつの線路が交差してそこには菱形ができますから「ダイヤモンドクロッシング」。

 名鉄築港線には全国でも珍しいこのダイヤモンドクロッシングがあるのです。築港線自体が昼間の運行本数がない上に、交差するもう一方の東港線も引き込み線でほとんど列車は通りませんから、こういったことが認められるのでしょう。何だか危険な気もしますが…。

 次回は伊勢神宮に向け、県境を越え久しぶりに三重県に入ります。



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