第58回 伊勢神宮外宮(三重県伊勢市)→相可(三重県多気郡多気町)

平成14年1月20日 曇り一時雨 31.5q 7時間10分

三重と京都は隣県!?

 この旅の目的地の1つである伊勢神宮を参拝し、今回からはいよいよ京都に向けて出発となります。京都は最初の「美濃・近江の旅(第1回〜第16回)」で到達することができなかった念願の地です(詳しくは第9回の旅日記を参照)。どのようなルートを通って京都へ入ろうか、地図を見ていろいろ考えていました。

 まず最初に考えたのは「三重県から京都府に行くには少なくともいくつの府県を通過しなければならないのだろうか?」ということ。しかし地図を見ると意外にも(本当に意外でした!)、三重県と京都府は隣接しているのですね。しかも山深くでちょっとだけ触れているというわけでもなく、(まぁ山奥であることは変わりないんでしょうが)ちゃんと国道も鉄道も通っているのです。つまり愛知県から京都府に向かう時には、最低1つの県を通過すれば到着できるということになるわけです。

 次に考えたのは「ではどの鉄道路線に沿って京都まで歩くのか」ということ。徒歩とは行っても僕の旅は鉄道駅を基本地点に据えていますから、何もない所は歩けないのです。そこで目に付いたのがJR名松線。この鉄道は地図を見る限り行き止まりの路線(専門家の間では「盲腸線」と言います)で、列車の運行本数も少なくきっと風情のある路線であろうと推測し、この名松線に沿って京都方面へ進むことを決めました。一般人の場合は「運行本数が少ない路線」は避けて旅程を組むであろうに、やはり僕は「外れ者」なんですかね。

 名松線は松阪駅を起点としています。しかし伊勢神宮から松阪まで自分が歩いてきた道を忠実に戻るのでは面白くない! そこで今回は幹線国道とは離れた山裏のルートを進むことになりました。歩行ルートも決まって、はぁ〜、やっと出発できる!!

 宮川を渡らずに宮川堤沿いに歩いていくと段々と国道から離れていき、寂しい場所に入り込んでいきます。ここら辺りがスタートからの1150qポストとなりました。久しぶりに静かな土地で50qポストを迎えました。ここで宮川をようやく渡り、多気町へ向かう県道に出ました。ここからは到着予定地の近くまでず〜〜っと一本道です。まぁ距離は相当ありますけど。

 多気町はJRにとっては路線の分岐点になります。亀山駅から三重県内を走ってきた紀勢本線は、ここから紀伊長島や尾鷲に向かい、和歌山まで紀伊半島を一周します。また参宮線はここから分岐して鳥羽へ向かいます。今回のウォーキングの到着予定地点はこの紀勢本線の多気駅から分岐した一駅目、相可(おうか)駅です。しかしまだまだ先が長い…。

 途中の五桂池の辺りに「ふるさと村」というキャンプ施設があります。池にも遊覧ボートがあって、ずっと人里離れた道を歩き続けてきた身には何だか人の姿がとても懐かしい。距離もそこそこになってきたので、この池の所で少し休み、(下見を適当にしかしていなかったので)ここから最後の部分は道を探しながら相可駅に何とかたどり着きました。道を探しながらというのはやはり疲れます。久しぶりの30q越えということもあり、足はパンパンになりました。

                     

 相可という地名は当時はあまり知らなかったのですが(今でも知らない人は多いと思いますが)、近年夏になると耳にするようになりました。それは何かというと高校野球。まだまだ三重県代表校になるところまでいっていませんが、相可高校が県大会の準決勝くらいまでくることが多くなり、三重テレビで結果速報を見るたびにこの日のウォーキングのことを思い出しています。

 またこの日は世間では大学入試センター試験の2日目でした。担任していたクラス(学年)はまだ2年生でしたが、僕が最初に副担任した学年が受験学年だったので、歩きながらも健闘を祈っていました。この学年の何人かの生徒たちとは今でも連絡をとっているし時々飲みにも行きますが、この子たちと大学入試について話をするたびにもこの日のウォーキングのことを思い出します。

 次回はいよいよ名松線の沿線に足を踏み入れます。



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