第62回 伊勢奥津(三重県一志郡美杉村)→桔梗が丘(三重県名張市)

平成14年5月26日 晴れ 28.6q 6時間30分

奈良県をちょっとかすめて…

 5月も終わりというのに、山の中というのはこんなにも涼しいものなのでしょうか。出発時刻が早朝の5時50分であったとは言え、車の外気温度計は10℃を示していました。あと5日もすれば6月ですよ。まぁとにかく快適な空気の中での歩き出しとなりました。

 今回はJR名松線の終点である伊勢奥津駅から名張までを歩きます。第60回の旅日記で紹介したとおり、この区間は本来ならばJR名松線が走っていたはずの区間です。よって山を上って下るというような峠越えではなく、一応谷間の川に沿った平らなコースとなります(まぁそれでももちろん多少の坂道はありますが…)。

 ここ美杉村は「杉」だけでなく「桜」の名所でもあるようです。歩いている道なりに「三多気のサクラ」なる看板があり、その季節にはこんな山奥にも関わらず観光客で車が大渋滞するらしい(と、看板に書いてありました)。本当かな!? とりあえず今日は今のところ一台の車にも出会ってないけど…。先月は車が動けなくなるほどの交通量だったってことなんでしょうか?? ぜひ一度「その季節」に来てみたいものです。

 さて三多気のサクラを過ぎると道は多少上り始め、それより何より急激に狭くなります。ふと道端を見ると小さな看板があり、そこには「奈良県」の文字が…。ひぇ〜、ついに奈良県まで来てしまいましたか(愛知・岐阜・三重・滋賀・静岡・山梨・長野に次いでこれで8県踏破です)!! ここは奈良県の御杖村。

 しかしそう思ったのもつかの間、三叉路を右手に曲がり名張方面に歩いていくと、すぐにまた三重県の美杉村に戻ってしまいます(これ以来、平成21年現在で奈良県の地は一度も踏みしめていません)。地名は太郎生(たろうじょう)という地区のようで、そのような名前のバス停も立っていましたが、この地区は一度奈良県を通過しないと同じ美杉村の伊勢奥津方面には行けないようです(つまり今僕が歩いてきたルートが唯一の行路になります)。まさに「飛び地」のようなもの。いくら「地面」がつながっているとは言え、道がつながっていないんじゃ行き来はできないのだから、こういった行政区分はどうなんでしょうね。

 と文句を言っているうちに歩は進み、名張市に入りました。簡単に書きますが結構距離はあります。しかし道自体はまずまず整備されているので、ドライブするには快走路です。名張川(これも清流です)が右に左に位置を変えながら併走し、途中からはせき止められて比奈知湖となり、ウォーキングの目を楽しませてくれます。

 僕も途中から国道を捨てて左に向かう比奈知湖の堤防添いの道に進みました。眺めが良かったということも1つありますが、もう1つ理由があります。それは「小」。今回もあまりきれいではない話題が登場して申し訳ないのですが、今回歩いたコースは人家があまりなく(もちろんコンビニなどはまったくありませんでした)用を足せる機会があまりなかったのです。この堤防添いの道は景色がいいわりに人通り(車の通りも)まったくと言っていいほどなく、静かに身を軽くすることができました(普通の大人はまねしてはいけません)。

 ダムの堤のまさに上を通過する道を通り、再び国道へ合流。ここには何だか場違いのレインボーブリッジ(虹色のトーチでできたトンネル)があり、ここがスタートからの1250qポストになりました。ここまで来ればもう名張の街近し!

 朝はあんなに涼しかったのにいつの間にか蒸し暑くなってきていて、久しぶりに見付けたスーパーに入り、かき氷を一杯口にしました。時刻は正午を回ったところ。今回のウォーキングも終着に近付いてきました。

 今回終着地とした駅は、近鉄の桔梗が丘駅。名張駅はもう1つ隣の駅になります。この先、伊賀・信楽の方向に歩いて行くには、名張駅よりもこちらの駅の方が都合がいいのです。ちなみに「桔梗が丘」とはこの辺り一帯にできた新興住宅地の名前です。植物の名前が付けられている辺りが実に趣深いですね。

 今回はこの駅から近鉄線に乗って帰りました。しかし車が置いてあるのはJR名松線の伊勢奥津駅。どこかで近鉄線からJR線に乗り換えないと車まで帰れません。しかしはるか遠くまで行かないと乗換駅はない(たぶん松阪駅くらいまで戻らないと乗り換えできないと思います)! そこで第60回の旅で歩きながら観察した情報が役に立ったのでした。近鉄線の川合高岡駅とJR名松線の一志駅は確か150mくらいしか離れていなかったはず。しかもこの2つの路線はずっと併走しているわけではなく、この駅でサッと近付いてきて、またサッと離れていく。そうだ、近鉄からJRに乗り換えるならここしかない!

 ということで再び一志駅から名松線の旅を満喫し、無事車まで戻ることができたのでした(この辺りの移動はややこしいので興味のない人は読み飛ばしてくれて結構です)。

 次回は再び平野部をノコノコと歩き、伊賀上野まで到着します。



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