第73回 塩釜口(愛知県名古屋市天白区)→大門(愛知県岡崎市)

平成15年4月19日 晴れのち曇り 25.7q 6時間0分

四角形の対角線は、2辺の和より短い

 今まで何度も書いてきましたが、僕は大学時代、名古屋に下宿していました。当時は名古屋大学まで地下鉄が開通しておらず、豊川から通学するには片道2時間ほどかかったため、一人暮らしをするに至ったのです。「一人暮らし」とは言っても同じ県内ですから、1〜2ヶ月に1度くらいは帰省していました。

 大学4年生の初めに自動車の免許を取り、そこからの1年間は帰省の際に車を使うことが多くなったのですが、名古屋市の千種区から豊川市までどのような道を使おうかいろいろと研究しました。どうしても急いでいる時はもちろん高速道路を使いましたが、やはり高速料金は安くはないので(当時はまだETCなんてものはありませんでした)、できるだけ一般道を使っていました。

 もっとも道に迷わないコースは、名古屋市熱田区まで行き、そこから国道1号線で豊川まで一直線に走るコースです。ただこのコースはいかにも大回りです。しかも国道1号線は混雑しやすいので走りにくい。そこで次に考えたのは、長久手町から八草方面(かつて愛知万博が開催された辺りです)に向かい、そこから豊田市へ国道248号線を走るコースです。ここは第46回の旅でも歩いたコースなのですが、やはり地理的にみるとかなり大回りになります(豊田市にいた弟の家に寄る時にはこのコースを多用しましたが)。

 そんなわけで、なるべく最短距離を走るために地図を見てよく考えてみたところ、前述の2つのコースは名古屋から岡崎までを、長方形の2辺を走るような形になっていることが分かりました。となれば、この長方形の対角線を斜めに走るコースが最短距離になるはずです。そのようなコースを地図で探し、日進市、東郷町、三好町を通るルートを選定して利用していたのでした。

 今回のウォーキングは、この頃に車で走っていたこの「長方形の対角線」を忠実に歩くことにしました。塩釜口からそのまま鶴舞線をトレースし、平針に到着します。平針は自動車免許センターがあることで知られていますが、僕にとっては違った思い出がある場所です。またまた学生時代の塾講師の話になりますが(前回の菊井校の塾とは別の塾です)、一番最初に講師面接に伺った塾の本部がこの平針にありました。個人経営の小さな塾でしたが、この平針で講師試験を受け、最初は港区の校舎に配属されたものの、一年後には本部に呼ばれてしばらく平針で授業を担当していました。この塾のことは豊川に来てからしばらく忘れてしまっていたのですが、ある朝の新聞にこの会社が「自転車操業」のために資金が足りなくなりトラブっているという記事が載っていて、久しぶりに思い出しました。う〜ん、世の中にはいろんなことがあるものだ。ま、ここは最初から「金儲け」のためのようなにおいがプンプンしていた塾ではありましたがね…。

 日進市をかすめるように東郷町に入ると、この辺りは県道であるにも関わらず交通量がものすごく多い。おそらく豊田市のベッドタウンになっているからでしょう。道の両側にも本屋・定食屋などが建ち並び、その中の「桔梗常」という屋号のそば屋さんの前が、スタートからの1550qポストになりました。前回の1500qポストである岐阜県の安八町から「まだ50q!?」という気もしましたが、自分の地元に近くなってくると距離感覚が少し変わってきますね。旅先(遠方)での50qというのはそれほどの距離を感じませんが、地元の50qというのはやはり遠く感じます。

 三好町から豊田市に入ると、道は何回か折れ曲がります。堤本町では右手に豊田工場が見え、いよいよ本格的に三河地方に戻ってきたという気分になります。そして若林では、名鉄三河線の若林駅で一服し、とうとう岡崎大橋を渡って岡崎市まで到着しました。ここらで25qくらいになることは下見してありましたが、前回も書いたように靴がまだまだ足に馴染んでいないため、無理をせずに豊川への到着は次回に持ち越すことにしました。この日は愛知環状鉄道の大門駅を終着地とし、この日の夜に再び車で正確な距離を測定しに来たのでした。

   

 大門駅は「だいもん」と読みます(というかこの日にそう読むことを知りました)。僕はそれまで「おおかど」と読むと思っていたのです。大学時代に英語史の講師に大門(おおかど)先生という方が見えたし。ま、ウォーキングとは関係のない話ですけどね。

 次回でいよいよ「伊勢神宮・東本願寺参拝の旅」も完結です。



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