第79回 大東(静岡県小笠郡大東町)→御前崎(静岡県榛原郡御前崎町)
平成15年8月2日 晴れ 20.0q 4時間40分
遠州灘からの熱風
時は8月。灼熱の太平洋岸気候。その中を御前崎に向けて旅する今回の旅は、久しぶりに車でやって来ました。前回とても雰囲気が良かった大東町役場で朝食を食べるべく、朝4時頃に豊川の家を出て一路東へ向かったのですが、せっかくなのでこれまでのウォーキング距離を測りながら行きました。新所原の手前を走っていると、暗闇から誰か出てきて…
おっ!! サツ(警察)だ!! 以前にも書きましたが僕はスピード違反を絶対にしないので、停められた時には「なんだろう??」と思いました。窓を開けると「どちらまで行かれるんですか?」との質問(こういうのを職務質問っていうんですかね)。「御前崎までハイキングに」と答えると、納得した様子で「あぁ、それで日の出にあわせて走っているわけですね。すみませんが、免許証だけ確認させてもらえますか?」という返事が返ってきました。ま、ふつうに免許証を提示してその場は終わりましたが、あれはいったい何だったんでしょうね。近くで何か事件でもあったんでしょうか。
職務質問以外は予定通り進み、明け方の薄明かりの中、大東町役場の駐車場でコンビニ弁当を食べ、車は掛川駅の駐車場に置いてウォーキングを開始しました。御前崎までの距離は下見によると約20q。
視線の先に見えていた浜岡原子力発電所が、少しずつではありますが徐々に大きくなってきます。中学校の地理で学びますが、原子力発電所の立地には多くの制約があり、地震に強くなるように地盤の固い地域かつ、冷却水を確保しやすいように海岸沿い、というのが基本になります。浜岡地域はこの両方を満たす立地なのでしょう。
トボトボと浜岡町の田舎道を歩いていると、後ろからものすごい早足で近付いてくる人がいます。夜道だったらかなり警戒してしまうような歩き方です。その人(男性でした)は僕をスッと追い抜き、当然僕の前方に出るわけですが、すると急速に歩くスピードを緩めました。僕と同じくらいの歩くスピードになったので、その人との距離感は広がらず縮まらず…。
何か僕に用があるのかと思い不安に思って歩いていましたが、結局その人は20分ほど僕の前方を同じ速さで歩き続け、途中から違う方向に曲がっていきました。あれは何だったんでしょう? 単に負けず嫌いな方で、他人が前方を歩いていることが許せなかったんでしょうか? 先程の職務質問の件といい、今回は謎が多い旅になっています。
法の沢交差点で国道バイパスを横切り、いよいよ海沿いに出ます。右手には巨大な堤防、そしてテトラポットが並んでおり、大きな津波が来ないことを祈りながら灼熱の遠州灘(しかしテトラポットのためまだ海自体は見えていません)を歩いていきました。暑い夏は、20qが近くなってくるとさすがに体力が無くなってきます。ちょっとした坂道を上りきると、堤防もテトラポットもなくなり視界に広大な遠州灘が見えてきました。左手には小高い丘。伊良湖岬もそうですが、岬の付近というのは半島の背骨のように丘が連なるような地形になるんですね。
しかし御前崎の先端(今回のゴール地点)が見えているというのは、歩いていて心強いものです。昼の12時40分、太陽が一番元気な時間帯にやっと御前崎サンホテルバス停に到着しました。ここは本当の本当に岬の先端にあたり、季節柄、海水浴客がたくさん集結していました。海の家でかき氷を口にしましたが、バスの時刻表を見るとまだまだ1時間近く待ち時間があったので、ビーチに下りて海からの灼熱の風を浴びながら、ボ〜〜っとした「いい時間」を過ごしました。
御前崎は意外にも、地図上では伊豆半島の先端よりも南に位置します。つまりここが静岡県の南端ということになるのです。次回からは当然北上するしか道はありません。海をしっかり堪能した次は静岡県の山々が見たくなり、次の目的地は大井川の源流である井川ダムに設定しました。