第89回 浜北(静岡県浜北市)→佐久米(静岡県引佐郡三ヶ日町)

平成16年1月14日 晴れ時々曇り 25.9q 6時間30分

養鰻姫街道

 今回のウォーキングは久しぶりの極寒ウォークとなりました。場所も遠州の平野と浜名湖岸の吹きさらしということで、強風を体全身で受け止めることになったのです。

 出発は早朝7時20分。浜北駅を出てすぐに通りのコンビニでカレーパンを購入し、コンビニの前の駐車場で朝食としました。長距離ウォークは体力を使うので、どんなことがあっても朝食は絶対に欠かせません。特に寒い日は辛目のカレーパンを食べて体内を温かくすることも必要です。

 しばらく北上した後、麁玉(あらたま)地区で姫街道に合流します。近くには天竜浜名湖鉄道の宮口駅があり、北側には大自然の山々が連なります。この山の中に静岡県立森林公園があり、最近では「あらたまの湯」という温泉施設もできました。第23回の旅で歩いた船明ダムや天竜二俣駅はここからすぐ東側になります。この辺りの浜北地区は、探せばまだまだ隠れた観光がありそうです。

 僕の旅はここから姫街道を西に進んで愛知県に戻ろうという予定です。ちょっとした丘を上るとここから再び浜松市に入ります。浜松市って広いなぁと、当時歩きながら思っていましたが、今では浜北市も浜松市に含み、さらにははるか長野県境の佐久間の方まで浜松市に合併してしまっているので、とんでもない広さになってしまっています。近隣市町村がどんどん浜松市になっていくのに、頑張って独立(!?)を保っている湖西(こさい)市が何だかとても立派に見えてしまいます。今後も頑張り続けてほしいものです。

 浜松市(当時)の北端にあたるこの地域は都田(みやこだ)と呼ばれ、テクノパークを中心とした産業技術の街です。天竜浜名湖鉄道の都田駅は駅舎に薬局が入っているという珍しいものですが、とてもほのぼのとした駅です。都田駅に限らず、天竜浜名湖鉄道の駅は駅舎ごと店に売り出しているものが多く、各駅で途中下車するだけでも充分楽しめる路線です。

 都田と言えばもう1つ、北部の森の中にフルーツパークがあります。第45回の旅でも愛知県北西部の東谷山(とうこくさん)フルーツパークを紹介しましたが、フルーツパークは「いい季節」に訪れないと本当に何もない「ただのだだっ広い公園」になってしまいますね。僕は4年ほど前に竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)とセットになったフルーツパークの入場券を購入しましたが、竜ヶ岩洞の方には行ったものの、フルーツパークの方は季節があわず今だに入場券を持っています。券を見ると有効期限は書かれていないのでまだ使えるんですかね。ちなみにもし行かれる方は天竜浜名湖鉄道のフルーツパーク駅が最寄りとなりますのでご参考に。

 姫街道をさらに西進し続けると左手に浜松大学が見えてきます。そして天竜浜名湖鉄道には浜松大学前駅。この路線は本当に地域のために、各施設ごとに駅を設置しているんですね。きっと北遠州の方々にとっては無くてはならない鉄道なんだろうと思います。

 引佐郡細江町、引佐町を繰り返し出入りしながら、姫街道はくねくねと折れ曲がり、この辺りがスタートからの1950qポストになりました。そこを少し過ぎた気賀には、かつて気賀の関所がありました。ここは旧東海道の新居の関所に並立するもので、女性が多く往来した姫街道においては非常に重要な関所となっていました。新居の関所と気賀の関所の関係については、詳しくは第76回の旅日記をご覧下さい。

 気賀の辺りからは左手間近に浜名湖を見ながら進みます。それにしても湖からの風は強く冷たい! 眺めは本当に最高ですが、寒くて寒くて…。ここは1つ体力を取り戻そうと、ウナギ料理の店「こころじゃ」に入り、うな丼を味わいました。この店は隠れた(とは言っても姫街道沿いにありますが)名店で、うな丼とともに食後のデザートとして「うなぎの蒲焼きケーキ」がお薦めです。初めて聞いたときは一歩引いてしまうようなネーミングですが、うなぎのエキスがうまく混じったなかなかおいしいケーキです(お土産にもできます)。さすがは養鰻業で有名な浜名湖岸ですね!

 お腹は膨らんだものの、風は弱まるどころかさらに強くなり、歩くのすらままならなくなってきました。豊川の自宅まで30q余りを残して、今回は浜名湖岸からほぼ0mの距離にある天竜浜名湖鉄道の浜名湖佐久米(はまなこさくめ)駅を終着地としました。この駅も駅舎の中に駅喫茶「かとれあ」が入っています。また、12月から3月頃にはホームの目の前の浜名湖にゆりかもめの大群がやってくるので、一日中ホームにいても飽きない駅です。この日も電車待ちの時間、ずっとゆりかもめ達を眺めてぼ〜っとしていました。聞くところによると、この季節は駅喫茶「かとれあ」によって一日一回、ゆりかもめ達に餌が与えられるそうです。

     

 次回は本坂トンネルを越えて、ついに静岡県の長旅を終えて愛知県に戻ります。



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