第9回 安土(滋賀県蒲生郡安土町)→守山(滋賀県守山市)
平成11年3月2日 晴れ 21.5q 5時間0分
市街地と田園
前々回は雪。前回は腹痛。ここのところあまりスッキリとした終わり方をしていないですね。今回こそ納得できるウォーキングになることを祈りつつ安土駅に車を停め(久しぶりに路駐ではありません)、そのまま歩き始めました。
JR東海道本線の線路沿いに歩き始めたのですが、ここで1つ発見がありました。電車が近づくと警報機が鳴り始めるのですが(当たり前)、この警報機の音、地元の名鉄のものと比べて異様に大きな音で鳴り始めるのです。ホントに近所迷惑なんじゃ…って思うくらいに。で、しばらくすると突然聞こえないくらいに音が小さくなるのです。鳴り始めは特に注意を喚起し、いったん通行人(通行車)が気付いてしまえばあとは小さい音で構わない、ということなんですかね。何にしても突然音が小さくなることの方がビックリしました。故障かと思いましたよ。
安土から線路沿いにず〜〜っと歩いていると、いつの間にか隣の駅、近江八幡駅に到着していました。本当に近い。こちらは安土駅とはまったく違ってそれなりの都会(駅前だけですが)です。大型ショッピング店も並んでいて(滋賀県は平和堂の本拠地、もちろん駅前に平和堂もありました)、車も渋滞。
でもやっぱり滋賀県だなぁと思うのは、200mも歩くともう田園風景に戻ってしまうことです。別に滋賀県をバカにしているということではなくて、ただこんなにも市街地と田園が隣接していることに驚きなのです。名古屋とはちがうなぁ…と。
近江八幡からさらにず〜っと直進すると堤防にぶち当たります。この川は日野川。堤防へと続く細い細い坂を上って行くと…。いやー、やはり何もない。もちろん景色はちゃんと存在するわけだけど、イメージとしては何もない。ここでの景色を具体的に書くならば、「見えるもの、川、土手、堤防、空、雲、田んぼ、以上!」って感じです。琵琶湖は残念ながら見えませんが、それにしてもこの辺りに住んでいる人たちは、日がな退屈なんじゃないだろうかと想像してしまいます(余計なお世話ですけどね)。でも、僕にとってはこの風景は旅気分ですが、住んでいる人たちにとっては生活風景の一部であり、日々の生活臭が溶け込んだ風景なんだろうなぁ。そんなことを考えると、いつも僕があわただしく生活している時にも、僕の全然知らない土地で全然知らない人たちが同じように生活を送っているということに、何だか不思議な気持ちになります。
道端には桜の木、もちろんまだ咲いてはいませんが、ほんのりと桜色のつぼみらしきものが…。植物に詳しいわけではないので見間違いかも知れませんが、でも桜の木であることは間違いなかったと思います。そうか、先月(というか、たった半月前)は豪雪に襲われていたのに、春は確実に近づいてきているんだなぁ。4月からは僕も社会人か…。
そうこうしながら今回は特に何事もなく野洲駅を通り過ぎ、野洲川を渡って守山駅まで来てしまいました。このまま進めば大津を経て京都へ向かえます。旅人にとって、京都は聖地のようなもの。
しかしここで考えました。4月からは豊川で教員生活が始まります。果たして遠くまで歩きに来ている余裕なんてあるのか。先のことを考えたら、ここら辺りから豊川に向かって引き返し始めた方がいいんじゃないだろうか。京都を歩くのは、仕事に慣れてからだってまた来れる。
という訳で、未知なる社会人生活に向け、今回のウォーキングは守山駅で終了し、次回から少しずつ愛知県に向けて戻っていくことになりました。
守山はれっきとした「市」です。名古屋にある守山は「区」ですから、同名市ということではありません(ちなみに日本全国に同名の町や村は多数存在しますが、同名の市は存在しません。作ってはいけないことになっているのです)。こちらの滋賀県守山市は、旧東海道と旧中山道(僕がここまで歩いてきた道筋)が合流する地点(栗東・草津)の近くです。
名古屋から美濃・近江へ向かう旅はここまで。次回からは旧東海道を通って豊川市に帰ってくる旅(復路)の道中を紹介します。