第91回 豊川御油(愛知県豊川市)→岡崎(愛知県岡崎市)
平成16年4月10日 晴れ 19.4q 4時間30分
長旅への第一歩
4月、新年度。赴任先は西尾張に決まり、とりあえず豊川から祖父江(現在の稲沢市)に向けて歩いていくことになりました。4月とは言っても快晴の一日で、歩き始めから汗ばむようなウォーキングとなりました。
コース自体は何度も何度も歩いたことのある国道1号線でした。御油駅前から西へ西へ進み、本宿あたりまでは何の変哲もなく。ただ名電山中駅を過ぎたところからは、初めて旧東海道の方へ入って行きました。右手に名鉄本線藤川駅を見ると、そこが記念すべきスタートからの2000q地点となりました。こんなに自宅から近いところになるとは思ってもいませんでした。そう言えば1000q地点も愛知県内だったと思うので、もしかしたら3000qポストも愛知県内になるのでしょうかね。
この旧東海道は相変わらず道幅が狭いままで、車が通ると歩行者は結構危険です。しかし距離はそれほど長くなく、名鉄の踏切を過ぎるとすぐに国道1号線に合流してしまいます。僕はその手前で進路を左に曲げました。交差点には信号機はなく、代わりに「吉良道」と書かれた石標が建っていました。ここから岡崎市南部を越えて吉良へ向かうことができるのです。
吉良は「忠臣蔵」で全国的に有名な地名になっていますが、街自体は小さな温泉街です。まぁここの温泉は近年ちょっと評判にはなりましたが…(第50回の旅日記参照)。ただ歴史的に言えば、吉良は信州へ続く「塩の道」の起点となった重要な街なのです。塩はもちろん人間にとっての生活必需品。その塩を海から遠い内陸まで運ぶという仕事は、かつては国家をあげて最優先されるべき仕事だったのです。そんなわけで全国各地にある「塩の道」は、旧東海道などと同様に、あるいはそれ以上に重要な位置づけであったと言います。
この吉良道を南下して行くとじきに道は広くなり、正面にJR東海道本線の岡崎駅が見えてきます。意外にもそれほど大きな駅ではなく(それでももちろん新快速は停まります)、近くに大きな店もあまり見当たりませんでした。やはり岡崎市の中心はJRの駅ではなく、名鉄本線の東岡崎駅なのでしょう。
今回はこのJRの岡崎駅を終着地としました。第81回の旅で吉田から岡部まで歩いて以来久しぶりに、20qに満たない短いウォーキングとなりました。次回はさらに愛知県の中央を西へ進み、大府へ到着します。