第94回 烏森(愛知県名古屋市中村区)→祖父江(愛知県中島郡祖父江町)

平成16年7月3日 快晴 21.6q 5時間0分

アスベストの怪

 「近鉄」というのは「近畿日本鉄道」の略称です。よって、近畿地方を中心とする鉄道であることは言うまでもありません。ちょうど「名鉄」が「名古屋鉄道」の略称であり、名古屋を中心とした路線網を敷いているのと同じことです。ではなぜ、そんな「近鉄」が名古屋市内を走っているのか??

 まぁ「路線を延ばしてきたから」と言えばそれまでのことなんですが、つまり近鉄にとって名古屋線は完全に「アウェー殴り込み路線」であるわけです。それにしても近畿地方の鉄道がよくもまぁはるばると東海圏まで線路を延ばしたものです…。ちなみに近鉄は日本全国にある私鉄の中でも最長の路線距離を誇ります(全国2位は東武鉄道、そして全国3位が名鉄です)。

 今回はその近鉄の烏森駅を、早朝7時に発ちました。一路、祖父江の当時の下宿に向かいます。思えば第1回の歩き始めの頃は、まだ名古屋市に下宿を持つ大学生でした。それからいったん実家に住、こうしてまた仕事の関係で祖父江町に下宿を持っているということを思うと、人の歴史というものを感じますね。

 早朝なのでまずは朝食をお腹に入れなければなりません。道路沿いにあった「180円うどん」の店に入り、安く大量の麺類を詰め込みました。そしていつも通り(?)、今回も朝の「大」をこの店で済ませて、安心して歩き出しました。

 万場大橋で庄内川、万場小橋で新川を渡ると名古屋市中村区から中川区へ入ります。そして高架化された名古屋高速道路に引かれるように北へ進路を変え、海部郡大治(おおはる)町へ。さらに大通りを西へ進路をとり、七宝焼きで有名な七宝町、美和町、津島市、佐織町、平和町と次々と行政区を通り抜けていきます。この辺りはどこもかしこも平地が広がり、濃尾平野の大きさを感じさせてくれます。どちらを向いても山が視界に入ってくる東三河とはかなり違った景観です(でも僕は山が見える方が好きですが…)。

 海部郡佐織町には名鉄津島線の藤浪駅があります。東三河に住む人たちにとってはそれほど有名な駅ではありません(僕は大学生時代に名鉄100駅スタンプラリーを3年連続で回っていたので、この駅のことはもちろん知っていました)が、この藤浪にある藤浪中学校はバスケットが強いらしく、同じくバスケットが強い豊川市の金屋中学校とよく試合をすることがあるようです。金谷中学校のバスケット部の塾生からこの中学校の名前を聞くと、この歩いていた日のことを思い出します。

 さらに津島市に入ると、進行方向右手に「トーヨーボウル」と書かれた廃墟(もちろんボーリング場の跡だと思います)が見えます。これも後に中日新聞に「愛知県内でもっともアスベスト被害の大きい建物」として写真付きで紹介されていました。この日は近くを歩いたのですが、興味をもってこの廃墟の中をのぞいてみたりしなくて本当によかったと思います。ちなみに夜は心霊スポットでもあるという話も聞きました。

 国道155号線をいったん横切り、暑くてへばってきたころようやく祖父江町の森上本郷の下宿に到着しました。下宿の前にある自動販売機で冷たいコーラを買い、今回のウォーキングは終了となりました。

 次回、ここからどちらの方向に進もうか迷いましたが、同じ愛知県でもせっかく岐阜県との県境に近いところに下宿しているのだからということで、次回からは縦に長い岐阜県をひたすら富山県に向けて縦断し、日本海を見に行く旅をスタートすることとなりました。お楽しみに! とりあえず次回は、愛知県に別れを告げて、岐阜県南部の柳津に到着します。



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